刑事裁判の証拠の呼び方
刑事裁判では証拠が提出されます。
その証拠を,「甲号証」「乙号証」「弁号証」と呼んだりします。
証拠の種類が違う
甲号証と乙号証は検察官が提出する証拠です。
甲号証は,物や捜査機関が作成した書面や被害者・目撃者などの供述調書など,検察官が犯罪事実を証明するために用いるための証拠が広く含まれます。
乙号証は,被告人に関する証拠です。被告人の供述調書や,被告人の戸籍謄本,被告人の前科調書などがこれに含まれます。
弁号証は弁護人が提出する証拠です。
犯罪事実を争っている場合には,無罪につながるような証拠を提出します。犯罪事実を争っていない場合には,被告人の刑を軽くするために役に立つ証拠を提出します。
こうした分類は法律で決まっているものではなく,裁判所が証拠を管理するための便宜です。実務上,裁判所がこうした分類に基づき証拠を整理しており,検察官や弁護人もこうした整理にしたがって証拠を提出しようとするのが普通です。