累犯というと犯罪を繰り返す人のことを指すように思われる方もいると思いますが,刑法上は,懲役の執行が終わってから5年以内に再び犯罪を犯した場合に,累犯とされ刑が加重されることになっています。
刑法第56条
懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。
第57条
再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする。
刑法の規定により,もともと定められた法定刑のうち2倍の長さの刑期を科すことができることになります。
この再犯(累犯)は,同じ罪である必要はありません。異なる罪でも,5年以内であれば再犯加重がされます。
懲役刑の執行を終わってから5年以内ですので,前の犯罪から5年ではありません。
また,前刑が執行猶予で執行猶予期間が経過した場合(例えば懲役1年執行猶予3年で3年経過した)は,その後に犯罪を犯しても再犯加重はされません。
(ただし,前科の記録自体は残っていますので,初犯の人と比べれば量刑が若干重くなります)。
執行猶予期間中に犯罪を犯せば,累犯にはなりませんが,前刑の執行猶予は取り消され,かつ新たな犯罪の刑もプラスされることになります。