以前当コラムでもお伝えしたように,拘置所では弁護人以外の方による面会・差し入れが「一律」禁止となっています。
今回は,このような状況下でも接見をすることが許されている弁護人は,実際にはどのような手順で面会をしているかについてご紹介します。
東京拘置所では,門を通過した後,入り口で弁護士バッジか身分証の提示をもとめられ,弁護人であるかどうか確認されます。確認がとれた場合にはじめて建物内への立ち入りを許可されます。その後通常どおり受付で面会を申し込みますが,消毒液のボトルが設置されており,強制ではないにせよ手指の消毒をするよう求められています。なお,マスクの着用も求められていますが,マスクがない場合に接見を拒否されることまではないようです。
申込終了後,接見室にいたるまでの通路には体温センサーが設置されており,体温のチェックがされています。また接見室内では接見者と被収容者の間の空気穴がビニールシートでふさがれています。
当然のことながら,弁護人も外部からウィルスを持ち込むリスクがあるため,細心の注意を払う必要があります。もっとも,直接の面会にはどこまでいっても感染のリスクがあります。
直接面会する以外の方法で,弁護人や一般人とやり取りをすることはできないのでしょうか。日本ではごく例外的な場合にしか電話での接見は認められていません(電話接見ができるのは弁護人に限られています。)。スカイプ等による通信も,メール通信すらみとめられていません。諸外国と比較しても,外部交通の方法が極めて限定されているのです。昨今の情勢を踏まえれば,外部交通の方法を直接の面会に限るという制度の在り方が本当に合理的と言えるのか,再検討されるべきでしょう。