裁判員に選ばれた。でも仕事が忙しい。家を空けられない。そういう場合は,裁判員の辞退が認められる場合があります。自体が認められれば,裁判員に選ばれません。
自体事由は法令によって定められており,高齢者であることや学生であることなどの一般的な理由のほか,やむを得ない事由がある場合には裁判員を辞退することができます。
その要件は,次のようなものです。
イ 重い疾病又は傷害により裁判所に出頭することが困難であること。
ロ 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある同居の親族の介護又は養育を行う必要があること。
ハ その従事する事業における重要な用務であって自らがこれを処理しなければ当該事業に著しい損害が生じるおそれがあるものがあること。
ニ 父母の葬式への出席その他の社会生活上の重要な用務であって他の期日に行うことができないものがあること。
ホ 重大な災害により生活基盤に著しい被害を受け、その生活の再建のための用務を行う必要があること。
これは裁判員法上の要件ですが,そのほか政令で以下のような事由も定められています。
一 妊娠中であること又は出産の日から八週間を経過していないこと。
二 介護又は養育が行われなければ日常生活を営むのに支障がある親族(同居の親族を除く。)又は親族以外の同居人であって自らが継続的に介護又は養育を行っているものの介護又は養育を行う必要があること。
三 配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)、直系の親族若しくは兄弟姉妹又はこれらの者以外の同居人が重い疾病又は傷害の治療を受ける場合において、その治療に伴い必要と認められる通院、入院又は退院に自らが付き添う必要があること。
四 妻(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)又は子が出産する場合において、その出産に伴い必要と認められる入院若しくは退院に自らが付き添い、又は出産に自らが立ち会う必要があること。
五 住所又は居所が裁判所の管轄区域外の遠隔地にあり、裁判所に出頭することが困難であること。
六 前各号に掲げるもののほか、裁判員の職務を行い、又は裁判員候補者として法第二十七条第一項に規定する裁判員等選任手続の期日に出頭することにより、自己又は第三者に身体上、精神上又は経済上の重大な不利益が生ずると認めるに足りる相当の理由があること。
言葉はどれも難しいですが,抜けられない仕事がある,家族の介護や育児が必要であるなどの事情がある場合には,辞退が認められることも多いです。また,病気や精神的な問題を抱えているなどの事情がある場合にも,辞退が認められる場合があります。
裁判員の辞退を希望する方は,裁判員になることによる影響を,具体的に裁判所に伝えなければいけません。これは,事前に裁判所から送られてくる書類を返送する方法のほか,選任の日に直接裁判官に説明することも可能です。