裁判員裁判における保釈

裁判員裁判において,保釈が認められるかどう判断されるものでしょうか。
強盗致傷,傷害致死,殺人など,法律で定められた刑が重い罪については,裁判員裁判で刑事裁判が行われます。
裁判員裁判になる事件は重い罪の事件であるという点からは,裁判員裁判以外の事件より保釈が認められにくいといえます。

他方で,一般市民の方が裁判員として参加するので,何が争点になるのか,どういった証拠を取調べ,どういった証人の証言を聞くのか,争点と証拠の整理を行って集中的に裁判を行う裁判日程の計画立てた上で,裁判が行われます。
このため,裁判が始まるまで早くても4か月程度,事案によってはそれ以上かかることになります。

保釈が認められるかどうかは,本人が逃亡したり,罪証隠滅をしたりするおそれがあるか,身体拘束が続くことで,どういった不利益を被るのかといった事情から判断されます。
犯罪事実に争いがない,被害結果は小さい,被害弁償や示談が成立している等の事情があれば,逃亡や罪証隠滅をしたりするおそれが小さいといえ,認められやすくなる事情といえます。

また,保釈が最初は認められなかったとしても,争点や証拠の整理が進むことで,争いとなる点や取り調べる証拠や証人が絞られていき,罪証隠滅をするおそれも小さくなるといえます。
他方で,裁判が始まるまでに身体拘束が長く続くことになるので不利益が大きいといえます。
また,集中的に裁判が行われるので,そのために準備を行うためにも保釈が認められる必要性が高いといえます。

保釈が1回認められなかったからといって最後今で認められないとは限りません。
裁判の手続が進むほど保釈が認められる可能性が高まるといえます。
裁判員裁判の事件であっても,事案の内容や裁判手続の進み具合などによって,保釈が認められる可能性があります。

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