覚せい剤の所持や密輸といった犯罪について,犯罪が成立するためには所持や密輸を行ったものが覚せい剤であったことについての故意が必要です。
しかし,この故意の内容は,当然に覚せい剤だと分かって犯罪を行った場合だけでなく,違法な薬物かも知れないという程度でも認められて犯罪が成立する可能性があります。
覚醒剤の所持や密輸といった犯罪については,覚せい剤だとは知らされずに騙されて利用され,犯罪に関与させられてしまう場合があります。
しかし,知らされていなかった,騙されたとしても,違法な薬物かも知れないという程度の認識が認められれば,起訴されて刑事裁判を受けて有罪となる可能性があります。
特に,警察官,検察官からの取調べにどのように対応するかは重要です。
取調べに対して,覚せい剤とは知らされていなかった,騙されたと話をしても,警察官や検察官の質問とこれに対する答えのやりとり次第で,故意が認められるような供述調書が作成されて証拠となってしまう可能性があります。
取調べに対しては,弁護士から十分に適切な助言を受けて対応することが重要です。