逮捕・勾留後に勾留延長がなされるのに対する弁護活動

刑事事件を犯したことを疑われて逮捕された後,勾留という10日間の身体拘束を受けて取調べ等の捜査を受ける可能性があります。
この勾留はさらに10日間延長されて,最大20日間の勾留を受けて身体拘束が続く可能性があります。

刑事訴訟法において,この勾留延長は,裁判官が「やむを得ない事由」(刑事訴訟法208条2項)があると判断するときに認めることができるとされています。
そして,この「やむを得ない事由」は,事件の複雑困難,証拠収集遅延,困難等により,勾留を延長してさらに捜査しなければ,検察官が起訴,不起訴を決めて処分することが困難な場合とされています。

しかし,多くの事件で勾留延長がなされて,最大20日間の勾留による身体拘束が続き取調べ等の捜査を受けるのが現状です。
例えば,ご本人が取調べに応じて全て事実関係を供述しているからといって,やむを得ない事由がないとは限りません。
事件の被害者,共犯者,関係者等からの事情聴取,取調べ等の捜査が終わっていなくて,「やむを得ない事由」と判断され,勾留延長がなされる可能性があります。

他方で,勾留延長が認められても,事案自体が複雑困難といえなかったり,証拠収集の遅れが捜査機関の不備や怠慢などに基づくものであったりする等,弁護人が準抗告という不服申立を行うことで,勾留延長が取り消されたり,延長期間が短縮される場合もあります。

勾留延長がなされるに当たって,取調べ等の捜査に対してどのように対応すべきか,また早期に釈放されるようするためにどのような活動をすべきかは,弁護人において事案や証拠状況を十分把握して,適切な助言や弁護活動がなされることが重要であると言えます。

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