逮捕された方の刑事事件について,ご本人のみならず弁護士も警察や検察が集めた証拠を確認することはできません。
ご本人が取調べを受けて作成に応じた供述調書も,どのような内容であったかは弁護士はご本人から聞くしかありません。
警察や検察が集めた証拠を弁護士が確認できるのは,起訴されて刑事裁判を受けることになった後のことです。
他方で,逮捕された方の刑事事件を検察が起訴するかどうかは,警察や検察が集めた証拠をもとに判断します。
逮捕の後,裁判官が勾留を認めて最大20日間の身体拘束が続いて捜査を受けるかどうかも,裁判官は警察や検察が集めた証拠をもとに判断します。
逮捕直後の弁護活動として,接見においてご本人から事案を十分に聞き取って把握することは当然重要です。
しかし,事案の把握だけではなく,ご本人がどのような取調べを受けてどのような供述調書が作成されているか,供述調書以外にもどのような証拠が集められていると思われるか等,警察や検察が集めた証拠やその内容をできるだけ把握するようすることが大切です。
そして,場合によっては弁護士自身で関係者からの聴き取りや証拠収集を行い,裁判官や検察官に提出するといった活動が求められます。