刑事裁判では,防犯カメラの映像が証拠になることが多くあります。
最近は,店舗や路上,駅等の公共機関に多数のカメラが設置されており,事件そのものが撮影されている場合はもちろんですが,事件前の犯人や被害者の行動,事件後の逃走ルートなどを解明するために,捜査機関が多数の防犯カメラを捜査します。
防犯カメラに映った車両や人物についての画像鑑定なども行われることがあります。
既に入手してる容疑者の写真や車と同一かどうかを鑑定するのですが,画像鑑定は,まだまだ確立されたものではなく,鑑定の信用性が争われることも珍しくありません。
また,アリバイなどのために弁護人に有利なカメラ映像という場合もあります。
但し,捜査機関が入手する前に,保存期間が経過してしまう(一定時間で上書きされるシステムの場合もあります)ことがありますので,必要があれば早めに収集保存する必要があります。
また,捜査機関が収集した場合でも,弁護人に当然に開示される訳ではありませんので,検察官に証拠開示を求めていく必要があります。
カメラ映像はリアルタイムで情報を保存しますので,その証拠価値は非常に高く評価されます。
弁護戦略を立てる上でも検討が欠かせない証拠といえるでしょう。