刑事裁判で有罪判決を受けた。控訴するかどうか。当事務所において多くご相談を受け,また控訴審の弁護活動を行っています。
控訴の申立には期限があります。
第一審判決の日の翌日から14日以内に申立を行う必要があります。
期限内に申立を行わなければ,控訴は認められません。
他方で,控訴を申立をした後,控訴審の判決前まではいつでも控訴を取り下げることができます。
控訴申立の期限までに控訴するかどうか迷い決まらないのであれば,期限までに申し立て,控訴しないとなったら控訴取り下げするよう考えるとよいです。
控訴審の裁判では,検察官も控訴を申し立てた場合でなければ,第一審判決より重い刑が言い渡されることはありません。
また民事裁判の控訴とは異なり,刑事裁判で控訴の申立てをすることに裁判費用はかかりません。
控訴審の裁判は,控訴申立てから判決まで3か月以上かかるのが通常です。
裁判中に身体拘束を受けた期間について,未決勾留日数として服役をしたものとし懲役刑の期間から差し引く制度があります。
第一審判決で実刑判決を受けて保釈もされていない場合,控訴申立てまでの控訴申立て期間は,法律上,未決勾留日数として服役したと扱い,その日数を実刑判決の懲役期間から差し引いて服役するようになります。
また,被告人側の控訴申立で第一審の判決が見直された場合,法律上,控訴審の審理にかかった期間全てが未決勾留日数として算入されます。
しかし,被告人側の控訴が認められなかった場合,控訴審の審理にかかった期間について,どの程度,未決勾留日数として認めるかは,裁判所の裁量で決められます。
このため,第一審が実刑判決で控訴が認めらなかった場合は,服役の開始時期が遅れ,控訴審の審理期間のうち未決勾留日数が算入されない期間の分,不利益があるといえます。
控訴審は第一審の刑事裁判とは異なり,最初から証拠の取調べ,証人尋問,被告人質問をやり直すというものではありません。
第一審で証拠の取調べ請求をできた証拠については,控訴審では証拠として取り調べられないのが原則です。
刑事事件の第一審で有罪判決を受け,控訴するかどうかを考えている方,そのご家族の方は,当事務所までご相談ください。