仮釈放が認められる際の考慮事由
刑事裁判で懲役○年という刑期が確定すると刑務所に服役することになります。未決勾留日数(裁判の間拘束されていた期間を一部服役したとみなすもの)を除いた残りの期間を刑務所で過ごすことになります。刑期の期間全部服役して出所することを満期出所といいます。刑期の途中で釈放されることを仮釈放(刑法28条)といいます。
仮釈放が認められるかどうかは,次の点を考慮するとされています(仮釈放、仮出場及び仮退院並びに保護観察等に関する規則)。
仮釈放は、次に掲げる事由を総合的に判断し、保護観察に付することが本人の改善更生のために相当であると認められるときに許すものとする。
① 悔悟の情が認められること。
② 更生の意欲が認められること。
③ 再犯のおそれがないと認められること。
④ 社会の感情が仮釈放を是認すると認められること。
一般に初犯の方が仮釈放が認められやすく,前科があると認められにくい傾向にあります。全出所者における仮釈放者の割合は概ね50~60%です。
どれくらい服役すると仮釈放されるか
どのくらい服役すると仮釈放が認められるかですが,刑法上は刑期の3分の1を超えると仮釈放が可能とされていますが,実際にはそのようなことはほとんどありません。
平成26年度では,仮釈放が認められた有期刑者の33%が9割の期間,47%が8~9割,18%が7割~8割の期間服役しています。7割以下の服役で仮釈放が認められた割合は1%しかいません(平成27年度犯罪白書より)。 特に10年を超える長期刑だと98%が8割以上の服役となっています。
服役期間は年々長期化する傾向にあります。