警察や検察官に対して、事件に関する話をすると、その内容をまとめた書類(「供述調書(きょうじゅつちょうしょ)」)を作成し、署名・押印を求められるのが通常です。
供述調書作成の流れ
概ね、以下のような流れで作成されます。
●話をする
●警察官や検察官が内容をまとめた書類にする
●書類を見せられ、内容を読んで聞かされる
●署名押印を求められる
ここで、「大体合っているからいいか」と安易に署名押印をすることは非常に危険です。
些細なニュアンスの違いが、法律的に見ると、致命的な問題になることもあります。
供述調書の問題点
たとえば、
●今、言われてみれば、そうかもしれない(けど、当時はそこまで考えていなかった)という話
例:違法薬物を所持していたというケースで、「あやしい人から物を渡されたんだから、違法な薬物かもしれないと分かりました」という記載は、今言われてみればそうかもしれないけれど、そのときはまったく考えていなかったということもあります。ただ、書面上は、まるで当時からそう考えていたかのように読めます。そして、それは違法薬物を持っている認識があったと捉える証拠として使われます。)
●有利な話は書かれていない
例:不利な部分については、言ったとおりに書かれているが、有利な部分が十分書かれていない場合、後から見ると、「逮捕された直後に、そんな話はしていなかったでしょ」と指摘されることにつながります。)
供述調書の内容については、訂正してくださいと申し入れる権利があります。
そして、そもそも供述調書に署名押印をする義務もありません。
裁判での問題
裁判のときになってから、供述調書と異なる内容を話すと、検察官からは「あなたは取調べで、今話したことと違う内容の供述調書を作成して署名押印しているでしょう」と指摘されます。
そして、その結果、「話が変遷しているから信用できない」という結論を招くことにもつながり得ます。
このように適切なアドバイスを受けることなく、安易に署名押印をすることは、裁判において決定的に不利になる原因になり得ます。
取調べを受ける予定の方、ご家族が逮捕された方、当事務所までご相談ください。