控訴審での審査方法
第1審判決に不服がある場合,高等裁判所に控訴申立をすることができます。
控訴すると,事件は高等裁判所が審理することになります。
ただし,第1審の審理と控訴審の審理は全く異なります。
第1審では,検察官が起訴した犯罪(公訴事実といいます)が認められるかどうか,認められる場合(有罪)に量刑をどの程度にするかを審理することになりますが,第1審の裁判所は,記録も全く見ない状態で審理にのぞみ,証人尋問や被告人質問などを経て判断することになります。
これに対して控訴審の審理は,第1審の審理を踏まえてなされます。第1審で取調べた証拠や証人尋問の結果は全て控訴審の裁判官は予め検討して審理に望むことになります。一から裁判をやり直すというわけではないということになります。
控訴審の裁判官が判断する内容も,第1審の判決が正しいかどうかという点で審査されます。
控訴審での証拠の取調べを求める
従って,第1審のように証拠調べが中心になるわけではなく,原則として書面審査で行われることが通常です。
第1審で提出されていなかった新たな証拠を取調べたり,第1審で尋問した証人を再度尋問したりすると言うことは例外的な場合です。
もちろん,第1審の判決が誤りであることを示すために新たな証拠の取調べを求めていくことは出来ます(事実取調べ請求といいます)が,否認事件の場合などは採用されずに却下されることの方が多いでしょう。
そのため控訴審では,第1審の判決が誤りであることを示す,控訴趣意書というものが大きな意味を持ちます。控訴趣意書によって,控訴審の裁判官に疑問を持たせなければなりません。
当事務所が控訴審の取り扱いも多数あります。第1審の判決に不服がある方,控訴審についてご相談がある方は,東京ディフェンダー法律事務所までお問い合わせ下さい。