覚せい剤などの違法薬物は,所持,使用,譲渡,密輸,製造などが禁止されています。
これら違法薬物の罪の中には,営利目的によって刑が加重される犯罪類型があります。
例えば,覚せい剤取締法では,覚せい剤の単純所持・使用・譲渡 懲役10年以下の懲役ですが,営利目的になると懲役1年以上(20年以下)となります。覚せい剤の密輸だと,通常は懲役1年以上ですが,営利目的輸入となると無期懲役又は3年以上の懲役となります。なお覚せい剤の営利目的輸入は,裁判員裁判対象事件です。
このように営利目的で起訴されると格段に重い罪になります。
違法な薬物が高値で売買されており,社会に蔓延するのを防止するために,営利目的の場合は重い罪が科されるのです。
この営利の目的とは,自分が儲かる目的だけでなく第三者が儲かる目的でもよいとされています。判例上「犯人がみずから財産上の利益を得、又は第三者に得させることを動機・目的とする場合をいう」とされているのです。
つまり,密売をする人から,密売をする目的であることを知りながら,預かっただけでなんの報酬ももらっていないような場合でも,営利の目的があるとされてしまうのです。
さらに他人が密売する目的であることを知っているかどうかは,単純に「密売用だから」といわれた場合だけではありません。
例えば,大量にあるというだけで個人使用の量でなければ密売用であるとわかったはずだとか,ビニール袋に小分けされていれば密売用であると気付くはずだなどとされてしまうのです。
当事務所では,覚せい剤をはじめとして違法薬物の事件,営利目的による事件もよく担当します。
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