ある人が泥棒に入ろうとするときに,鍵を開けるためにドライバーを貸したとしたら,それは犯罪になるでしょうか。
犯罪すると知らずに貸したら,結果的に犯罪に使われてしまった場合はどうでしょうか。
幇助犯とは
このようなときに,刑事裁判では幇助犯というものがあります。幇助とは手助けするという意味です。
犯罪を犯す人自身を正犯といい,手助けをした人を幇助犯と呼ぶのです。
幇助犯が成立するためには,正犯者(実行する人)が犯罪をしようとしていることを知っていなければなりません。
ですから,知らずに結果的に手助けしてしまっただけであれば犯罪にはなりません。
共謀共同正犯とは
また,実行をしていなくても,幇助ではなく正犯として処罰されることもあります。
例えば2人で計画を立て,報酬も折半という約束の下,Aが情報を収集し道具を用意する係で,Bが実行役などというように,Aは実行こそしていないものの自分自身の犯罪として関与していた場合には,共謀共同正犯といって正犯としての責任を負わなければならないのです。
実行者が犯罪をしようとしているのを知っていたかどうかや,自分の犯罪として関わっていたのか手助けするつもりだけだったのかが,刑事裁判で争われるケースは少なくありません。
犯罪をする場合の話し合いや,当時どのように考えていたか,などということは直接的に客観的,明確な証拠が残っていることは少なく,事実を認定するのが簡単ではないためです。
幇助か正犯かによっても量刑は大きくことなりますし,犯罪だと知らなければ無罪になるわけですから,とても大事な問題なのです。
共謀してないのに起訴されてしまった,自分は手助けしただけなのに正犯とされてしまった,ということで弁護士に相談したい方は東京ディフェンダー法律事務所までお問い合わせ下さい。