東京弁護士会は、少年に対する警察官の取調べが自白を強要するもので人権侵害であったとして警告を行いました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170810/k10011095911000.html
これは窃盗の疑いをかけられて,任意の事情聴取を受けた少年に対して,「否認すればろう屋に入れるぞ」、「お前の人生終わりだ。高校行けないから」などと警察官が脅したというものです。
後に少年は関わっていなかったことが判明していますが,この取調べによって自分の関与を認めてしまったのです。
少年は父親のアドバイスで,事情聴取の様子を録音していました。
この報道を見た刑事弁護人としての感想は,このような取調べは日常茶飯時だというものです。
この少年の調べは任意ですし,窃盗事件のため取調べの録画・録音の対象ではありません。
可視化されてない取調べにおいては自白を強要するために,ひどい取調べが今でも行われているのです。
この件から得られることは,次の様なことです。
① 取調べは全過程を録画・録音しなければ,不当な取調べを防ぐことはできない
② 刑訴法の改正で導入された録画録音制度は,裁判員対象事件など一部に限られているし,任意の調べも対象ではなく不十分なものである
③ 人はやっていなくても取調べで認めてしまうことがある
④ 不当な取調べから身を守るためには,できる限り早く弁護士を選任すること,そして任意の調べであれば録音すること
警察から,事情聴取に呼ばれた,犯罪の疑いをかけられているなど,取調べにどのように対応すればよいかお困りの方は,東京ディフェンダー法律事務所までご相談下さい。