警察官が犯罪の捜査をする中で,実況見分を行うことがあります。
実況見分とは,犯罪現場などについて,位置関係,証拠品の有無,明るさ,周囲の状況などについて計測したり,写真を撮ったりする行為です。
その上で,後の刑事裁判で証拠とできるように実況見分調書という書類が作成されます。
通常実況見分調書には,実況見分を行った日時,立会人,実況見分の内容として写真や図面が添付されます。
実況見分調書は基本的には客観的な情報が記載されるので,問題となることは多くはないのですが,時に争いになることもあります。
特に,被害者や被告人,目撃者などを立ち会わせて行う実況見分の場合,立ち会ったものの説明が記載されることがあります。
現場にいる警察官の誘導のせいで間違った説明が記載されてしまうことがあるのです。
もし実況見分に立ち会うことを求められたら,自分の記憶のままきちんと説明するようにしましょう。
交通事故などでは,どの地点でブレーキを踏んだか,信号を見たかなど,実況見分時の被疑者・被告人の説明が,後の裁判でとても重要になることも珍しくありません。
もし捜査を受ける立場で,実況見分に立ち会うよう求められたら,弁護士に相談することをお勧めします。