2人以上でやってしまった事件、つまり共犯事件では、それぞれがその事件で行った行動が、その事件を実行するうえでどのくらい重要であったかが重要になります。
2人以上でやった事件でも、刑の重さは、一人ひとり決まります。ですから、一人一人がその事件で担った役割を個別に考えることが、刑を決めるうえで重要です。
たとえば、路上強盗を2人以上一緒になってやった事件で、一人は路上強盗を発案し、暴力をふるい、お金も取った。もう一人は、その計画に賛同して、お金をもらったが、積極的に暴力を振るわなかった、というような事例であれば、前者のほうが当然に責任が重く、刑としても二人の間には有意な差がつかなければいけません。
実行していなければ常に軽く処罰されるかというとそうではありません。たとえば、明らかに立場が上の人が、部下に命じて、何らかの犯罪を実行させたような場合。その場合は、上の立場の人は首謀者ですから、実際に犯罪の実行を担当していなくても、実行した者よりむしろ重く処罰されます。
こうした役割を具体的に考えることによって、刑の重さが決まります。
そこで、弁護人としては、自らの依頼人の役割を正しく理解し、その役割が共犯者に比べて軽いといえるのであれば、それをきちんと裁判所に伝えるための弁護活動が求められます。