刑法には,人の自殺を手助けしたり,依頼を受けて殺害することについて,殺人罪とは異なる罪を設けています。
第202条
人を教唆し若しくは幇助して自殺させ、又は人をその嘱託を受け若しくはその承諾を得て殺した者は、6月以上7年以下の懲役又は禁錮に処する。
単純に人を殺害する殺人罪が,死刑,無期懲役,5年以上の懲役と規定されていることからするとその刑の重さは全くことになります。
これは,被害者自身が死を受けていることに大きな違いがあります。
202条で規定されているのは,自殺教唆罪,自殺幇助罪,嘱託殺人罪,同意殺人罪です。それぞれ,人をそそのかして自殺させること,人が自殺することを手助けすること,被害者から頼まれて殺害すること,被害者の同意を得て殺害すること,です。
この中では,嘱託殺人は刑事裁判でも珍しくありません。
病気を苦にして配偶者に死なせて欲しい,と依頼したり,生活苦などから夫婦で心中するケースなどです。
他方で,殺されてしまった被害者の話を事後に確認することはできませんから,本当に嘱託や同意がったのかが争われることも珍しくありません。
介護や貧困が原因であることが多く,弁護人として担当しても難しい事件であることがほとんどです。
もしご家族が,自殺幇助,嘱託殺人などで取調べを受けている,逮捕されてしまったmなどという場合には,少しでも早く弁護士を選任することをお勧めします。