保釈と実刑判決
第1審の裁判で保釈が認められている中で,実刑判決が下された場合どうなるのでしょうか。
法律上保釈は,実刑判決の言い渡しにより失効します。
そのため,第1審の実刑判決により収監されることになります。
実刑判決直後に検察庁の職員が身体を拘束し,そのまま拘置所に収監されることになります。
ただし,地域によっては,実刑判決の日に再保釈の請求をすれば,判断が出るまで検察庁で待機し,再保釈が許可されればそのまま釈放されるという扱いのところもあります(東京地検はそのような運用です)。
なので,保釈請求が次の日になってしまったり,当日に保釈請求をしても難しい事件などで判断が遅れる場合には一旦拘置所に収監されることになります。
再保釈の請求
第1審が国選弁護人であった場合などは,予め第1審の弁護人に実刑判決だった場合に備えて再保釈請求の準備をして,判決直後に請求してもらうように依頼しておきましょう。
国選弁護人は第1審と控訴審では基本的に別です。第1審判決後控訴審弁護人が選任されるまでは,2週間以上間隔が空くことがほとんどですので,第1審弁護人に再保釈請求をしてもらわなければ,収監が長く続くことになります。
なお第1審で保釈が認められていたからといって,再保釈が許可されないこともありますし,再保釈が認められない場合でも保釈保証金の上積みを求められることが通常です(第1審保釈金の2~5割ほど)。