先日当事務所の坂根が担当した裁判員裁判は,身の代金目的略取,身の代金要求,逮捕監禁致傷等の罪でした。
身の代金を目的として人を誘拐したり,身の代金を要求したりすると,身の代金目的略取等罪の罪(刑法225条の2)に問われます。
逮捕監禁致傷は,誘拐した際に車内に監禁し暴行を加え怪我をさせたというものでした。
依頼人は事実を認めており,量刑が争いとなる事件だったのですが,共犯者が3人おり,それぞれ分離されて裁判が行われ,依頼人が最後の裁判でした。
共犯者2人は,いずれも依頼人が主犯で指示されたという供述をし,それぞれの判決では,私の依頼人が主導的立場で犯罪を行ったと認定されていました。
しかし依頼人の主張は,自分だけが主犯なのではなく,3人は同じ立場であったと主張しました。
既に2人の共犯者に判決を下した裁判官と私の依頼人の裁判官は全く同じです。
裁判員はもちろん変わりますが,既に事件を知り,私の依頼人を主犯と認定した裁判官の下で,その予断を取り除くことは簡単ではありません。
結果は,こちらの主張が認められ,私の依頼人が単独で主犯だったわけではないという認定になり,求刑11年のところ7年半の量刑となりました。