刑事事件で逮捕され,犯行時に精神疾患の影響下にあったとして刑事責任を問えるか責任能力が問題となる場合,精神鑑定を受けるために鑑定留置という処分を受けることがあります。
刑事事件を犯したとして逮捕される場合,その後,勾留という最大20日間の身体拘束がなされる可能性があります。
責任能力が問題となる場合は,さらに鑑定留置という処分を受けて精神鑑定を受けるために身体拘束がなされる可能性があります。
勾留という身体拘束は最大20日間であるのに対し,鑑定留置による身体拘束は法律で期限は決まっていません。
通常は,2,3か月の期間とされることが多いといえますが,期限を定められても期限が延長される可能性があります。
東京の場合,鑑定留置中は警察署に拘束され,精神鑑定を担当する医師等が警察署まで来て直接本人に問診等を行うのが通常です。
そして,一定期間は,警察署から病院に移動し,病院での各種検査等が行われるのが通常です。
鑑定留置による身体拘束自体は強制されるものですが,黙秘権が保障されているのであり,その下での医師による問診等に答えることについてまで強制されるものではありません。
特に,逮捕されて刑事裁判を受ける前の捜査段階は,捜査機関が収集した各種の証拠等を直接確認することはできません。
不確かな記憶や思い込みなどで話してしまった内容で,不利な処分を受けるリスクがあると言えます。
こうした鑑定留置処分を受けた場合,精神鑑定に対してどのように対応すべきか,弁護士から適切なアドバイスを受けることが重要であるといえます。
逮捕され責任能力が問題となった方,その後家族の方は,当事務所の弁護士までご相談下さい。