酔ってタクシーの運転手に暴行 罪名は?

 酒を飲んで酔っ払ってしまい,タクシーの運転手とトラブルになって,暴力をふるってしまい,逮捕されるという事案が少なからずあります。
 その場合,どういう罪名で逮捕されるのでしょうか。
 意外に思われるかもしれませんが,こういう時に逮捕される罪名は「強盗」や「強盗致傷」が多いです。なぜ強盗なのかというと,これは,暴力を用いてタクシー料金の支払いを免れようとしたとみなされてしまうからです。強盗が成立するためにはそれなりに強度な暴行が要件となりますが,これも酔っぱらっていて見境がなくなってしまっているケースも少なくないのです。
 ただ,もちろん,その実質は酔ったうえでのトラブル・喧嘩であって,強盗などではありません。タクシーに乗ったのですから,お金も十分にあって,タクシー代を踏み倒す目的であるとは考えにくいのです。逮捕時に強盗などの罪名がついていても,最終的には暴行罪や傷害罪のみで処理される事件が多い類型です。
 
 酔ってタクシーの運転手に暴行をふるうような事件は,罪名自体は重い罪のようでも,逮捕された後早期の釈放を狙うことのできる部類の事件です。逮捕後,早急に弁護人を選任し,活動してもらうことが重要です。
 また,酔っていて覚えていないという話なのであれば,実際に暴行をふるったのかどうかもわからない状態です。安易に容疑を認めることも危険です。弁護人による,依頼人の供述に関するアドバイスが重要となります。
 さらに,酔って覚えていない状況で,示談や謝罪などをどう進めていくかも難しい問題です。
 酔ってタクシーの運転手に暴行をふるったという事件は,よくある事件の一つですが,弁護人による充実した活動の必要性が高い部類の事件なのです。

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