遮へい措置

 刑事裁判で証人尋問が行われるときに,遮へい措置というものが講じられることがあります。
 遮へい措置とは証人として出廷する人を見えなくする制度です。
 2つの種類があります。
・証人と被告人を遮へいする
・証人と傍聴席を遮へいする
証人と被告人と遮へいすると,間に衝立が置かれ,被告人からも証人からも各々の姿が見えなくなります。
 傍聴席との遮へいは,証人の後ろ側に衝立を起き,声は聞こえるけれども,傍聴席から証人の姿が見えない状態になります。
 この2つの措置が同時にとられることもあります。

 遮へい措置は,特に被害者などが直接被告人の前で証言することに心理的負担がある,あるいは自分が傍聴席から特定されたくない、というような場合に認められることが多くあります。
 被害者からの申出があれば,裁判所は原則認めているのが実情です。
 また,被害者だけではなく関係者などでも簡単に認めている実務があります。
 もちろん被害者の心情は十分配慮する必要がありますが,本来裁判は公開でされることが原則であること,また絶対に事実を間違って被告人を罰してはいけない刑事裁判において法廷で被告人の面前で証言する,ということはとても大事な原則です。

 裁判制度そのものが健全であるべきということからも,これらの遮へい措置が安易に講じられるべきではありません。

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