殺人事件などが発生すると,警察官は現場で実況見分や鑑識活動をします。
警察官による実況見分・鑑識活動
実況見分は,現場の状況を撮影したり,物の発見,押収を目的に行われます。
鑑識活動とは,現場に慰留された血痕,指紋,毛髪,足跡,繊維等の微物を採取し,現場であるいは採取して科捜研等へ鑑定を嘱託します。
DNA型鑑定は犯人の同一性を明らかにするために欠くことのできない捜査で,時に決定的な証拠になります。
検証や鑑定は杜撰に行われうる
しかし,日本の実況見分や物の発見採取の過程は,極めて杜撰に行われていると言ってもよく,どこをどのように捜索し,どう発見して,どう採取したかが,不明確な場合が少なくありません。
全ての過程を写真撮影し,記録化すべきなのですが,例えば検出されなかったことは記録に残さないというのは日常茶飯事です。この場合,やったのに検出されなかったのか,そもそもやらなかったのかが,事後的に検証できなくなってしまうのです。
被疑者やご家族が実況見分等に立ち会うことも珍しくありませんので,もし立ち会った場合には,全ての経過を写真,動画等に記録化することを求めるべきです。