刑事事件は通常,逮捕・訴追を受けた被疑者・被告人からの弁護の依頼を受けて弁護人選任届を作成して提出します。
仮に親から弁護の依頼を受けた場合でも,本人に面談,接見をし,弁護依頼の意思確認をした上で弁護人に選任されることがほとんどです。
ただし,刑事訴訟法上は,本人以外にも一定の立場の人に独立して弁護人選任権があることを規定しています。
刑事訴訟法第30条2項
被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。
逮捕された人の中には,正常な判断ができなかったり,精神の障がい等により弁護人は不要と考え選任しないなどということもあり得ます。
このような場合には親などの親族が弁護人を直接選任して弁護人選任届を作成し提出することで弁護人として活動することが可能です。
特に逮捕から起訴までの最大23日間の捜査段階は早期に弁護人を選任して活動することがとても重要です。
もっとも,弁護活動をする上では,本人が弁護人を信頼することが何より大切なため,できる限り本人に直接選任させることが望ましいでしょう。