行き当たりばったりの弁護活動はいけません。 刑事裁判が始まるまでに、明確な弁護方針が確立され、これに基づいて一貫した弁護活動を行う必要があります。
この弁護方針をどのように確立するかについてお話しします。
ブレインストーミング
裁判になると、私たち弁護人や依頼人も、検察官が裁判で使おうとする証拠を見ることができます。そこからさらに、弁護人において証拠の開示請求を行うなどして、さらに検察官の手持ち証拠を確認することが求められます。
重要な証拠について開示を受けたら、それらの証拠を読み込み、「ブレインストーミング」という作業を行います。「ブレイン」は脳、「ストーミング」は嵐です。つまり、脳を嵐のようにして、証拠からうかがえる事実を洗いざらい抽出する作業です。抽出した事実をもとに、それらの証拠を説明できる弁護側のストーリーを検討していきます。どんな事件にも依頼人にとて不利な事実がありますが、不利な事実をどのように説明するか、反証していくかを検討します。こうして、すべての証拠を説明でき、依頼人を無罪(あるいは軽い量刑)に導くことができる説得的な弁護方針が確立されていくのです。
弁護方針の決定
徹底的に弁護方針を検討することは、弁護活動を行うにあたってなくてはならない作業です。私たちは、考え抜かれた弁護方針に基づき一貫した弁護活動を展開することを何よりも大切に考えています。