昨年末のコラムでもご紹介したとおり,近時,電車内での痴漢容疑で逮捕されても,
その後の勾留(逮捕は2日間程度拘束されますが,勾留はその後さらなる身体拘束をいいます。勾留になると10日,あるいは20日間の拘束が予定されます)に進むことなく,裁判官によって釈放されることが多くなってきています。
釈放されると無罪なのか
では,釈放されたら,無罪放免なのでしょうか?
答えはノーです。
逮捕や勾留は刑罰とは関係がありません。ですから,逮捕された後勾留されずに釈放されても,その後刑罰を受けるかどうかは全く別問題です。
釈放された後も,警察官や検察官から呼び出され,事情聴取を受けることになります。
痴漢容疑を認めている場合には,事情聴取が終わり次第,罰金を支払わなければ行けなかったり,場合によっては刑事裁判になったりという処分が見込まれます。
痴漢容疑を認めていない場合,つまりやっていないと主張している場合には,事情聴取が終わり次第,被害者とされている人の話と疑われている容疑者の話の内容を吟味し,容疑者を刑事裁判にかけるかどうかを検察官が決めます。
ですから,痴漢容疑で逮捕された後,釈放されたからといって,無罪放免を意味するものではありません。
釈放後の弁護活動も重要
そして,痴漢の容疑者とされてしまった人にとって,釈放された後の処分が決まるまで,弁護士のサポートを受けることはとても重要です。
認めている事件では,加害者にかわって,弁護士が被害者に謝罪や損害賠償の支払を行います。被害者も納得し,損害賠償をお支払いして和解(示談)ができれば,加害者の有利な処分にもつながります。他にも,処分を決める検察官と交渉し,有利な処分を目指すことが可能です。
やっていないと主張する事件では,釈放された後の取調べ対応などが重要になります。やっていないと主張する事件では,捜査機関も厳しい取調べを行うことがあります。そのような取調べにどう対応したらいいか,刑事事件に精通した弁護士のアドバイスを受けることはとても重要です。
痴漢容疑で逮捕され,その後釈放された方は,今後を不安に思っていらっしゃるかも知れません。そのようなご相談を,当事務所では数多く受けています。そして,釈放後の弁護活動のご依頼を数多く承っています。
痴漢で逮捕されて釈放された方,是非一度,当事務所までご相談下さい。