コロナが陽性だなどと店舗などで虚偽の発言をして,偽計業務妨害で逮捕されるケースが報道されています。
偽計業務妨害とは,刑法で定められた犯罪です。
コロナに関連する業務妨害罪
刑法233条
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
嘘をついて,業務を妨害した場合に成立します。
なお,真にコロナに感染していた場合は,威力業務妨害罪(刑法234条)が成立しえます。
例えば,風邪やインフルなどの病気の場合に逮捕されるようなケースはほとんどないでしょう。
その違いは,コロナウィルスが未知のウィルスであり社会的な許容性(風邪やインフエンザは誰でも罹患しうるもので,罹患した人が一定の社会的活動をすることはやむを得ないという共通理解があります)がないこと,店舗が消毒作業や一時閉鎖などの通常の業務を行うことができなくなる,というところにあるでしょう。
しかし,未知のウィルスであるからこそ,排他的な世論が醸成され,不当に警察権が行使されたり人の活動の自由を制約される危険があります。
刑罰というのはいかなる時も謙抑的であることが求められるはずです。