強盗致傷事件実例
当事務所の弁護士が担当していた強盗致傷事件が,懲役4年(検察官の求刑7年,弁護人の量刑意見懲役3年執行猶予5年)の判決となりました。
事案は,多数の共犯者とともに,貴重品を輸送するところを狙いこれを奪おうとしましたが,抵抗されてこれを遂げず,その際に被害者にけがを負わせてしまったという強盗致傷事件でした。
依頼人は,事実関係を認めていました。裁判での焦点は,共犯者同士の中で依頼人がどのような立場にあったか,全体の責任のうちどれだけの責任を負う立場かという点でした。
強盗致傷事件の弁護活動
私たち弁護人は,この事件は組織的な事件であり,依頼人が組織の最末端だったこと,今回起訴されているのは実行犯4人でしたが,その中でも最も末端の役割であったことを主張の中心とし,裁判での戦略としました。
判決は,依頼人を含めた実行犯4人が,組織全体の中で末端の存在だったことは認めましたが,私たちの依頼人が実行犯の中でも最も末端の役割であるとは認めず,実行犯4人のうち一人を懲役6年,私たちの依頼人を含めたほか3名を懲役4年の実刑判決としました。
執行猶予を求めたもの実現しませんでしたが,求刑と比べれば相当短期の刑が言い渡され,最善の結果ではありませんが弁護活動は一定程度功を奏したものと考えています。