弁護人が被害者と関わる場面
刑事事件を多数担当している中で、事件の被害者の方々との様々なやりとりや交渉は避けられません。弁護人が被害者との間に入り、示談交渉をすることは、刑事事件の弁護人としてのごく基本的な活動です。また、時には、被害者が刑事裁判の法廷で証人尋問されるときに、弁護人の立場から被害者を尋問することも珍しい場面ではありません。
刑事事件を担当していると、被害者とされる方の中にも、いろいろな方がいると常々思います。やはり刑事事件の被害を受けることは衝撃的なことですから、加害者の厳罰を望まれる方が多いです。しかし、それでも、加害者側の更生を願っていただいたり、示談交渉などの結果、加害者側を許してくださるケースも少なくありません。時には、加害者側ができるだけ寛大な刑を受けられるようにしてほしいといってくれるような方もいます。
被害者との関わり方
先日の裁判では、逮捕早期から弁護人が被害者の方とかかわり、被害者が早々に被告人を許してくれ、法廷でも、寛大な刑を求めてくださった事件がありました。このような被害者側の処罰の意向は、もちろん、最終的な刑の重さなどにも反映されます。
弁護人は、加害者側の代理人いう立場で、あくまで依頼人のために被害者とかかわることになりますが、さまざまな気持ちをもつ被害者がいることを念頭に置きながら、適切なかかわり方・交渉をしていくことが大切です。