刑事弁護の研修
7月21日に行われた第1回刑事弁護リーダーズセミに参加してきました。
刑事弁護の第一人者であり,司法研修所の刑事弁護教官でもある神山啓史,岩本憲武弁護士を講師に迎え,否認事件の闘い方についての研修でした。
事案は窃盗事件で既に起訴され無実を主張する事件です。
受講者には事前に事件記録を配布し,検察官の請求証拠を踏まえて,どのような弁護戦略を立てるかを検討するものでした。
被告人から事情聴取すべきこと,弁護人が独自に証拠収集,事実調査すべきことは何かなどを実践的にゼミ形式で行うものでした。
否認事件
我が国の刑事司法では,検察官が起訴した事件の有罪率は99.9%を超えます。この数字の裏には,グレーなものは起訴しないという運用があります。
従って起訴されたということは,有罪を示すように見える証拠がなにかしら存在することになります(検察官自身が無罪か有罪かわからないが裁判所の判断の仰ごうというようなことはしていないのです)。
無実を主張する場合には,検察官が裁判所に提出しようとする証拠をどのように説明するかがとても重要なことになるのです。
若手弁護士を対象とするものでしたが,改めて否認事件の難しさ,弁護活動の大切さを学びました。