保釈は起訴されて刑事裁判を受けることになった後に請求することができます。
保釈請求に対し,これを認めるかどうかは裁判官が判断します。
保釈請求に回数制限はありません。
保釈請求が認められなかったとしても,その後に事情が変わって再度保釈を請求して保釈が認められる可能性があります。
保釈で問題となるポイント
裁判官が保釈を認めるかどうかで特に問題となる事項は,保釈をすることで罪証隠滅をするおそれの有無,程度です。
罪証隠滅は,証拠物を隠したり処分したりすることに限りません。
事件の被害者や目撃者などの裁判の証人となりうる人に対して働きかけ,有利な証言をさせたり証言内容を変えさせたりすることも問題となります。
罪証隠滅のおそれ
公判前整理手続に付された事件においては,争点と証拠の整理が進むことで罪証隠滅の対象となりうる事実や証拠が限られていき,罪証隠滅のおそれが小さくなっていくものといえます。
また,裁判手続が進んで検察官が請求する証拠が取り調べられたり,証人尋問が行われたり,さらには被告人質問が実施されたりすることで,同様に罪証隠滅のおそれが小さくなっていくものといえます。
被害者に対して,不当な働きかけを行って示談等の有利な情状証拠を得ようとすることも問題となります。
弁護人を通じて被害者との間で新たに示談が成立した場合は,こうした罪証隠滅のおそれもなくなるといえます。
保釈請求が認めれなかったとしても,その後の手続の進行や弁護人の活動による事情の変更を主張し,再度保釈が認められるように請求することが考えられます。