保釈の条件
保釈が許可される場合、ほとんどのケースで「海外旅行又は3日以上の旅行をする場合には、前もって、裁判所に申し出て、許可を受けなければならない」といった、旅行に関する指定条件が付されます。この条件に違反すると、検察官が保釈の取消し等を請求し、裁判所がこれを認めた場合に保釈が取消され、保釈保証金も没取されます。
「3日以上の旅行」とはいわゆる「2泊3日」の旅行を指すと考えて差し支えないと思われます。注意しなければならないのは、仮に正当な目的―例えば弁護人との打ち合わせや冠婚葬祭等―であっても、許可を受けることが要求されているということです。他方で、上記のような正当な目的の場合、許可がなされないことは稀です。許可を申請する際には、旅行の目的や日程、その際の宿泊先等を明示することが求められます。宿泊先住居と被告人との関係を疎明するような資料の提出を求められることもあります。他方で、単なる遊びの旅行に過ぎなかったり、不当に旅行期間が長い場合などについては、許可がされにくい傾向にあります。
保釈と海外旅行
海外旅行の場合はさらにハードルが上がります。特に被告人が外国籍の方である場合、裁判所は、二度と本邦に帰ってこなくなってしまうおそれがあるなどとして、許可をしない可能性があります。旅行の目的が非常に重要であり、その他の方法では代替できないこと、帰国することが期待できる事情等を丁寧に疎明する必要があります。