公判前整理手続中に保釈請求をする
公判前整理手続とは,刑事裁判において,公判審理を始める前に主張と証拠の整理を行い,争点やどういった証拠や証人の取調べを行うか整理する手続です。
裁判員裁判対象事件では,必ずこの公判前整理手続が行われます。
保釈は,起訴されて刑事裁判を受けることになった以降で請求できる制度です。
保釈が認められるかどうかは,特に,保釈を認めるべき必要性の他,保釈を認めることで罪証隠滅等が行われる恐れが問題となります。
手続の進行に応じた主張が必要
保釈請求は1回しかできないというものではなく,回数制限はありません。
1回目の保釈請求が認められなかったとしても,手続が進めば事情も変わっていきます。
公判前整理手続が進むことで,争点と証拠の整理が進み,争いのない事実が明らかになっていき,取り調べられる証拠が決まっていきます。
これにより,罪証隠滅等が問題となる証拠やどのような罪証隠滅行為が行われるおそれがあるか等が,限られてくるといえます。
また,裁判員裁判など連日公判が行われる場合には,被告人本人が弁護人の綿密に打ち合わせできるようするために保釈が認められる必要性が高いといえます。
公判前整理手続が行われている事件において,保釈が認められるようするために,手続の進行に応じて説得的に罪証隠滅等の恐れがないこと,保釈が認められるべき必要性が高いことを主張し,またそうした事情を資料等から明らかにすることが重要です。