裁判は事実と証拠に基づいて判断がなされるべきです。もっとも,人間が判断する以上,外見や立ち居振る舞いから受ける影響を無視することはできません。特に裁判員裁判では,一般人である裁判員が,被告人からどのような印象をうけるかについては,十分に配慮する必要があります。このような意味で,法廷で被告人にきちんとした服装をしてもらうというのはとても重要です。
一般的にはスーツを差し入れ,法廷で着用してもらいます。また裁判員裁判では,拘置所でネクタイ(ただし,いわゆるワンタッチ式のもの)と革靴に似たスリッパの貸し出しを受けることができます。十分とはいえないにせよ,弁護人としては抜かりなく利用すべきです。勿論,保釈中の被告人に対しても,きちんとした服装をするようにアドバイスをする必要があります。