事件別:公職選挙法違反

 

 【公職選挙法違反事件のポイント】
① 一般の方も事件に巻き込まれる可能性がある
② 取調べに対する対応が重要

 

―公職選挙法違反事件とは―

 選挙に関するルールを定めた法律で最も代表的な法律が、公職選挙法です。

 公職選挙法には、選挙活動のルール違反、投票活動のルール違反、そのほか選挙に関する様々なルール違反が、罰則として定められています。その中でも、最も代表的といえるものを紹介したいと思います。

公職選挙法第221条1項

 次の各号に掲げる行為をした者は、三年以下の懲役若しくは禁錮又は五十万円以下の罰金に処する。

一  当選を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもつて選挙人又は選挙運動者に対し金銭、物品その他の財産上の利益若しくは公私の職務の供与、その供与の申込み若しくは約束をし又は供応接待、その申込み若しくは約束をしたとき。

 これは、選挙における買収や利益供与を禁ずる規定の一つです。この規定のほかにもありますが、投票の結果を左右するような目的のもとで、金品を渡したり、利益を供与したりすることは、犯罪になります。

 選挙に関する様々なルールは、一般の方には関係がないと思われがちです。しかし、例えば、一般の方も、候補者とのつながりや人間関係から、選挙活動を手伝ったりすることもあるでしょう。このような場合に、知らず知らずのうちに違法な選挙活動に関与してしまうという例も、少なくないのです。

 

―処分の見通しは?―

 公職選挙法が定める様々なルール違反には、それぞれごとに異なった罰則が定められています。懲役刑と、罰金刑が定められている場合が多いです。

 公職選挙法違反の罪は、一人だけでなく、複数の関係者が一度に逮捕され、刑事責任を問われるケースが多い犯罪です。そのような場合、関与の度合いによって、処分の見通しも変わってきます。関与の薄い一般の方は、罰金処分などで早期に事件が終了する場合も多いのに対して、選挙違反を主導した立場の人や、関与の濃い人については、刑事裁判になることも多くあります。

 

―取調べへの対応が重要―

 公職選挙法違反事件では、関係者の多くが逮捕されます。また、利益供与などは密室で行われる場合もあります。必然的に、関係者の供述内容が大きな意味をもつことが多くなります。そこで、捜査機関は、関係者に対し厳しい取調べを行うケースが少なくありません。

 近年でも、鹿児島県で行われた統一地方選挙に際して、飲食物や現金などを供与したとして複数人が起訴され、無罪判決となった事件(いわゆる「志布志事件」)は記憶に新しいところです。この事件では、捜査の段階で、極めて非人道的な、違法な取調べが行われたのです。

 このように、公職選挙法違反の事件では、捜査機関も厳しい取調べをしてくることが予測されますが、このような取調べに対応し、抗議し、うその自供をさせられないためには、優れた弁護人による支援が不可欠になります。

 

―弁護士に依頼するメリットは?―

 公職選挙法違反の事件は、事実関係も複雑な場合も多く、証拠の量も膨大になるケースが少なくありません。厳しい取調べの中、無実を貫き通さなければならないような事件もあります。

 いずれにしても、公職選挙法違反事件の疑いをかけられた場合には、本当の刑事事件のエキスパート弁護士による援助が、必要不可欠なのです。

 

取扱事例 -選挙運動の報酬受け取りで起訴を阻止-

■ 事案

依頼者は選挙運動の際に報酬を受け取ったという疑いで公職選挙法違反の罪で捜査の対象とされました。依頼者は実際には、選挙運動の対価として報酬を受け取ったという認識はありませんでした。

■ 活動/処分

当事務所の弁護士が捜査の対象とされた当初から弁護人となり、幸い、逮捕はされず、在宅での捜査となりました。同様の立場にある別の方は正式な裁判となっていましたが、依頼者は起訴猶予となりました。

 

 

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