上告審の審理
刑事裁判には第1審,控訴審,上告審と手続があります。上告審は控訴審の判決に対して上告申立をしたときに行われるものです。最高裁判所が審理することになります。
第1審や控訴審では公判(公開の法廷で裁判が行われること)が開かれますが,上告審は基本的に書面審査で行われ,例外的な場合を除いて公判は開かれません。
上告申立をすると,上告趣意書の提出期限が定められます。この期限内に控訴審判決や第1審判決に対して不服がある理由を記載した上告趣意書を最高裁に提出します(通常は弁護人が作成します)。
上告趣意書の提出後
上告趣意書を提出すると最高裁が理由があるかを審査することになりますが,判断を下すまでの期間は事件によって様々です。短いと2週間くらいですが,長いケースだと1年を超えることもあります。いつ判断がでるかは事前には分かりません。
上告で控訴審判決を見なおすということになると公判が開かれるのが通常ですが,上告棄却(控訴審の判決が維持されること)の場合には,書面で棄却決定の通知が届くだけです。
上告で判決が見なおされることは,極めて稀です。刑事上告審は非常に狭き門といえるでしょう。
上告審でも国選弁護人を選任することができますが,基本的には最高裁が所在する東京にある弁護士会から選任されます。
関東以外の地域でそれまでの裁判が行われている場合は,各地の高裁管轄の拘置所に拘束されていることになりますが,本人は上告審の間に東京に移送されることはありません。従って国選を選任する場合,弁護人との打ち合わせは主に手紙でやり取りすることが多くなります。
上告審でも私選弁護人を依頼することももちろんできます。私選弁護人の場合は地元の弁護士を依頼することも自由です。
当事務所では上告審のご相談や私選弁護の依頼を受けることもあります。
ただ,上告審の見通しは一般にとても厳しいため,その見通しをお伝えした上で私選弁護の依頼を受けるようにしています。
私選弁護人を依頼するかどうか,上告審の見通し等でお悩みの方は東京ディフェンダー法律事務所までお問い合わせ下さい。