刑事事件での鑑定の種類
刑事事件では、さまざまな鑑定が行われます。
鑑定とは、簡単に説明すると、その分野の一定の専門家が、その専門的知見を用いて、専門的な意見を述べることをいいます。よく聞かれる「精神鑑定」もその一つですが、「指紋鑑定」「DNA型鑑定」「法医学鑑定」「繊維鑑定」など、さまざまな鑑定の種類があり、その専門性は、精神医学や法医学などの医学から、工学、化学など様々な種類に及びます。
このような専門家の行った鑑定が刑事裁判で提出されると、その鑑定結果は裁判所にとても信用されやすい傾向があります。裁判所にはわからない事項に及ぶので、専門家のいうことは信用しようという判断になってしまう傾向があるのです。この専門家の鑑定が弁護側にとって不利なものであるときにはこれを争う必要がありますが、争うことは非常に難しいのが一般です。
鑑定を争うには技術が必要
当事務所は、このような専門的な鑑定を争う事件を多数担当してきました。専門的な意見を争うために重要なのは、弁護人自身もできる限り専門的な理解を深めるように努めること、ほかの専門家に意見を聞くなどして弁護側からも有効な立証に努めること、それから、鑑定の問題点をわかりやすく提示するための尋問技術です。
また、鑑定自体を争うのでなくても、鑑定が事件において持つ意味を的確に把握することも重要です。たとえば、指紋があったからといって犯人だとされるわけではなく、他の機会についたのではないかなどの反論を検討することです。
専門家の鑑定の信憑性や、鑑定の意味が問題になる事件は、困難な事件になることが多いです。しかし、当事務所は、そのような困難事件を積極的に担当しています。