起訴されて刑事裁判を受けることになった方を,被告人といいます。
被告人が,刑事裁判の法廷において,話しをする場面は,大きく3つあります。
1つ目 裁判の最初
1つ目は,刑事裁判の法廷での審理が始まる最初の場面です。
最初に,人定質問といって,起訴状に書かれてある被告人が出廷しているか,裁判官から氏名,生年月日,本籍,住所,職業を尋ねられ,答えることになります。
そして,検察官から起訴状の内容が読み上げられ,裁判官から黙秘権があることを告げられた上で,起訴状の内容にどこか違っていることがあるかどうか,答えることになります。罪状認否といわれる手続です。
2つ目 証拠調べ
2つ目は,法廷での審理で証拠調べが行われる場面です。
証拠調べとして,書類や証拠物の取調べや,証人尋問が行われます。
そして,通常,証拠調べの最後に,被告人質問として,弁護士,検察官,裁判官の順に,被告人に対して質問がされ,これに答えることになります。
ここで,被告人自身が質問に答える形で,自分自身の言葉で,事件の経緯や犯行状況,事件後の状況,あるいは事件に関わっていないことや犯人ではないことなどを,話しをすることになります。
3つ目 裁判の最後
3つ目は,法廷での審理の最後の場面です。
証拠調べが終わった後,検察官は論告求刑を行い,弁護士は最終弁論を行って,それぞれの意見を述べます。
そして,審理が終わる最後に,裁判官から,被告人に対して,発言する機会が与えられます。最終意見陳述といわれる手続です。
いずれも,被告人が答えた内容は,有利にも不利にも裁判の証拠となって,有罪無罪の判断や,有罪の場合にどのような重さの刑を科すかの判断の材料となるものです。
どのような発言をするのかは,弁護士としても,被告人とよく打合せをして準備することが重要な弁護活動です。