我が国を代表する刑事弁護人である高野隆弁護士の還暦を記念して,「憲法的刑事弁護弁護士高野隆の実践」(日本評論社)が発刊されました。
執筆者・内容のご紹介
数多くの無罪判決を下した木谷明元裁判官が編集代表をつとめています。
刑事訴訟法の実務に憲法の理念・価値をいかに反映させるべきかという観点からの論文集,高野弁護士が実際に無罪判決を獲得した事件の裁判官,依頼人,弁護士達の座談会,そして,高野弁護士が実際に法廷で行った弁論集,という構成になっています。
当事務所の坂根も高野弁護士の弁論の魅力について,わずかですが書かせてもらいました。
高野弁護士は東京法廷技術アカデミーの代表理事を務めるなど,日本の刑事弁護人の技術向上のために尽力していることはもちろん,今でも刑事弁護の第一線で活動されています。
刑事弁護をする者であれば,この本から学ぶべきことがたくさんあります。
もちろん一般の方でも,座談会や弁論集などは興味深く読むことができるのではないでしょうか。
刑事弁護をしていると,日本の刑事手続があまりに人権保障の感覚に疎く,憲法を無視しているのではないかとすら思えることがあります。
日々の実務に埋没することなく,あるべき刑事司法は何かということを常に考えていきたいと思いを新たにさせてくれました。