刑事手続における検察官と警察官の権限

日本の刑事手続において,捜査を行う機関として検察と警察があります。
検察官は,犯罪の捜査を行う権限と,公訴提起を行うかどうかの権限を有しています。犯罪について起訴をして刑事裁判で処罰を求めるかどうかは検察官が判断し,検察官が起訴した刑事裁判の有罪立証を行い,その公判の維持遂行を行います。

これに対して,警察官は,犯罪の捜査を行いますが,犯罪について起訴するかどうかを判断したり,刑事裁判を維持遂行したりする権限はありません。
また,逮捕した被疑者について,さらに勾留という最大20日間の身体拘束の継続を求めるかどうかも,検察官が判断し,検察官が裁判所に求めます。

犯罪の捜査

犯罪の捜査について,警察が一次的な捜査を行い,検察も起訴不起訴の判断や起訴した場合に公判の維持遂行ができるかといった観点からも二次的な捜査を行うのが通常と言えます。
検察と警察は,犯罪の捜査において互いに協力する関係にあります。もっとも,完全に対等ではなく,検察官が起訴不起訴を判断し,公判の維持遂行をすることから,検察官が警察官に指示や指揮をする権限が与えられています。

警察・検察の取調べ

刑事事件で逮捕された方は,警察官の取調べを受け,既に警察官の取調べで話した内容であっても,さらに検察官の取調べを受けます。
自分が起訴された刑事裁判においては,検察官の取調べであっても検察官の取調べであっても,供述調書の内容に署名や捺印したものは,いずれも裁判で証拠となってその証拠能力や信用性を争うのが非常に困難です。
警察官,検察官のいずれの取調べであっても,適切に対応する必要があると言えます。

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