第一審判決が無罪であるなど、弁護側にとって有利な内容の判決であった場合、検察官が控訴することができます。この制度自体、被告人を2回有罪の危険にさらす可能性がある点で問題がありますが、今の制度上は、そのような法制度と運用になっています。
検察官が控訴した場合、弁護側としてはどのような活動を行うのでしょうか。一番重要なのは、検察官の控訴趣意書(控訴の理由を細かく記載した書面)に対する反論として、答弁書を作成することです。
一般に、検察官は控訴すると、何十ページにも及ぶとても力の入った控訴趣意書を提出してきます。よくよく読んでみるとそこに書かれていることが妥当とはいえない記述もとても多いですが、とにかく、この控訴趣意書に反論をしなければいけません。
ボリュームのある検察官の主張に適切な反論を加えていくことはかなり骨の折れる作業です。検察官の主張に含まれる問題点を的確に指摘しながら、第一審の裁判所がした判決が正しいこと、検察官の主張をもっても第一審判決が揺らがないことを論じていくことが必要です。
このような作業を行うには、きちんと原審の記録を検討し、原判決の論理構造や検察官の主張の問題点を分析する技術が必要です。これは、事実を争う事件に慣れていて、相応の経験を持った弁護士でなければ難しい作業です。
もし、検察官が控訴した事件で弁護士をお探しの方は、ぜひ、当事務所までご相談ください。