複数の者が一緒に犯罪を行った場合,共犯と呼びますが,共犯にも様々な関与の仕方があります。
幇助犯とは
犯行を行った者を正犯,それを助けた者を幇助犯といいます(他人にやらせる場合として教唆犯という者もありますが,通常は後に述べる共謀共同正犯として立件されることがほとんどです)。
共同正犯とは
正犯とは,自分の犯罪として行った者という意味ですが,実行行為をしていなくても,背後で指示して実質的に自分で犯罪を実行したのと同視できる場合には,正犯となります。
この共犯における正犯を共同正犯といいますが,この中には,実行共同正犯と共謀共同正犯があるのです。
実行をしたか否かで呼称が変わりますが,成立する犯罪や量刑はどちらが軽いということはありません。
実行をした場合には,犯行そのものに関与しているので,共犯が成立することが争われることはあまりありませんが,共謀共同正犯の場合には,実行をしていないため,本当に犯罪の共謀をしたのかどうかが熾烈に争われることがあります。
特に,実行をしたAさんが,実はBさんから指示された,と背後者のことを供述する場合,真実であればA,Bの共同正犯ですが,Aさんは自らが軽くなりたいために,Bさんを巻き込んで嘘をついている可能性もあります。
Aさんは実際に実行をしているので,実行した部分は本当のことを供述していることが多く,Aさんの供述が真実かどうかを見抜くのはとても難しいことなのです。