処罰ではなく健全な育成が目的
少年法は、少年が犯罪を行うなどすることに対し、処罰ではなく健全な育成をすることを目的としています。
家庭裁判所が処分を決める
成人の刑事事件の場合は、公開の法廷で裁判が行われて処罰が決められます。
しかし、少年事件は、処罰ではなく健全な育成をすることを目的としています。
このため、家庭裁判所が事件を担当し、非公開の審判で少年に対する処分を決めます。
軽い犯罪でも軽い処分とは限らない
少年事件では、少年が行ったのが軽い犯罪であっても、軽い処分になるとは限りません。
少年の健全な育成のためにはどのような処分が相応しいかという観点から処分が判断されます。
少年自身が抱える問題や家庭環境、生活状況などから問題が根深いとされる場合などは、少年院に送られるなどの重い処分を受ける場合もありえます。
重い犯罪でも軽い処分となりえる
逆に、成人であれば、懲役刑の実刑判決を受けうるような犯罪を行った場合でも、少年事件の場合は少年院に送られるとは限りません。
少年の健全な育成のためには、家庭に戻して社会内で更生させる方が相応しいなどと判断されれば、少年院ではなく、保護観察という保護観察所の指導監督の下、家庭に戻って生活する処分もありえます。
被害弁償・示談が処分で考慮される
被害者への被害弁償について、実際にお金の準備するのは大半がご両親であるといえます。
ご両親が少年のために被害者へお金を準備したということは、それだけご両親が少年の健全な成長に関心が高いということができます。
また、少年自身もそうしたご両親の姿を見ることや、被害者に謝罪することなどは、反省に繋がります。
少年事件の場合も、被害者に対して被害弁償を行っていることや示談が成立していることは、処分を決めるにあたり少年に有利に考慮されます。
刑事裁判を受ける場合がある
重い犯罪を行った場合や、20歳に近い年齢の少年の場合には、家庭裁判所が刑事裁判を受けさせるのが相応しいと判断して、刑事裁判を受ける場合があります。
検察官送致(逆送)という手続きです。
検察官送致された場合は、少年も成人と同様に刑事裁判を受けることになります。