無罪率の上昇

 日本では,起訴されると99.9%が有罪になると言われています。

無罪率は上昇している

 1000人に1人しか無罪にならないという確立は,それ自体異常な事態です。
 
 ただ,近年ほんの僅かではありますが無罪率が上昇している傾向にあります。
 例えば重大事件として審理される裁判員裁判の件数(終局件数)も,平成25年は1465人であったのが平成29年は993人でした。
 たとえば,平成20年は,裁判確定者が530293人で無罪は84人でしたが,平成29年は,299319人のうち無罪が130人(いずれも平成29年度犯罪白書)。
 
 マスメディア等によって,治安が悪化しているかのようなイメージを持たれている方もいるかもしれませんが,日本では犯罪は認知件数も発生件数も年々減少しており,裁判を受ける人もこの10年で半減に近く減少しています。

 他方で,無罪の人数は増えていますので,確立は上がっているわけです。
 それでも,確立的には99,9%であり,異常な事態は解消されていません。
 (ただ,この数字は,犯罪を犯したことを認めている人も争っている人も含めた総数です。争っている人の中での無罪率はさらに高くなります)

 無罪率の上昇の要因を正確に分析することは困難ですが,裁判員裁判による刑事裁判の変化や,捜査段階の国選制度の拡大に伴う弁護活動の活性化が大きく影響を与えているように思います。

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