刑事事件を起こしたとき,罰金の処分が下ることがあります。
罰金が払えないときは労役所留置
比較的軽微な犯罪で,罰金のみが科される場合もあれば,懲役刑と罰金刑が併せて科せられるケースもあります。
罰金額は刑罰法規によって様々ですが,刑事罰としての罰金の処分は払えない場合には労役場留置処分となります。
たとえば,
「被告人を罰金50万円に処する。これを完納することができないときは,金5000円をⅠ日に換算した期間,労役場に留置する」
などという処分になるわけです。つまり1円も払えないときは,100日間労役場に留置されるということになります。この換算金額は罰金額が大きくなれば高くなります。
労役場といっても刑務所のことで,扱いも懲役囚と同じですので,罰金を支払えなければ刑務所に服役することになってしまいます。
罰金は事実上分割や猶予にしてくれることも
罰金についての支払い猶予や分割についてですが,建前としては一括納付を求められていますが,短期間のために服役させるのも手続上煩雑なため,罰金の執行を司る検察庁の執行課では,事実上分割や猶予の相談に応じてくれることもあります。このあたりは支払いの見込み等も含め担当の弁護士か直接検察庁の執行課と相談してみましょう。
(一部を支払えば,当然服役期間も短くなります)
組織的な犯罪などでは罰金額が数百万を超えることも珍しくありません。その場合罰金が支払えないと言い渡された懲役刑に加えて懲役数年(最大3年)が加わることになります。罰金がいかなる金額が適正かについても弁護活動として検討しなければなりません。