時折在宅看護の果てに被看護者を殺害してしまった-という報道を目にすることがあります。
このようなケースも殺人罪として裁判員裁判で審理されることになります。
高齢者による殺人事件の2割は介護疲れによるものと言われています。寝たきりの配偶者の場合もありますし,難病に苦しむ子どもの将来を悲観して殺害してしまったケース,精神障がいの影響等により家庭内暴力を受け続けて耐えられなくなったケースなど,その内容は多様です。
いずれのケースでも公的機関の介入など防ぐ手段がなかったのかと被害者にとっても加害者にとっても報われないケースがほとんどです。
殺人罪は動機犯と言われるように,その動機によって刑が大きく変わります。一般的には金銭目的や一方的な恨みなどが重く処罰され,ケンカが発展し衝動的にカッとなってしまったケースなどは犯行態様により変わってきます。そして介護疲れの事案は,その経緯や動機に酌むべき事情があるとされ,一般的に殺人罪の中では軽い部類に属します。
介護の期間や最悪の手段を避けるためにどの程度努力してきたかなどによって,執行猶予となるケースもめずらしくありません。
ご本人も罪の意識に苛まれなかなか事実を話せない場合もありますので,丹念に事件に至る経過を調査していく必要があります。
裁判員裁判では,量刑傾向を意識した活動をしなければなりません。当事務所では介護疲れの事案のこれまで取り扱ってきました。
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