公判前整理手続とは
公判前整理手続については、その重要性や戦略などについて、当コラムでもたびたび紹介してきました。公判前整理手続とは、実際の裁判の実施に先立って、裁判官と検察官、弁護人が打ち合わせを行い、裁判の争点や審理の計画などについて話し合う手続きです。この話し合いの中で、検察官の手持ち証拠の開示などを受けられるので、うまく利用すれば弁護人にとって大きなメリットのある手続です。
これまでは、裁判員裁判対象事件を除いては、公判前整理手続が行われるのは裁判所が相当と認めた一部の事件のみでした。しかし、近時の法改正により、公判前整理手続を当事者が請求することができるようになりました。もちろん、請求を認めるかどうかは裁判所が判断するのですが、法改正の趣旨に鑑みて、請求のあった事件は裁判所もこれまでより積極的に公判前整理手続を行おうとするといわれています。
ただ、請求権が認められてからもあまり公判前整理手続の請求がなされた件数などは多くないといわれています。いまだに、公判前整理手続について不慣れで、これを積極的に使おうという弁護士が少ないのかもしれません。
公判前整理手続の有効性
ですが、公判前整理手続は、検察官の手持ち証拠の一覧表の開示を受けられる、検察官の手持ち証拠の多くの開示を受けられるなど、公判前整理手続が行われない事件と比較して大きなメリットがあります。特に事実関係を徹底的に争う事件などでは、公判前整理手続の積極的な活動が望まれます。