スポーツ中の行為でも,刑法等に該当する場合,刑事事件に問われる場合があります。
スポーツ中の行為の例
たとえば,人に暴行をふるう行為は,刑法上暴行罪として処罰されます。それによって,人にけがをさせれば,傷害罪が成立します。
ただ,もちろん,形式的には暴行といえる行為がスポーツの中で行われる場合もあります。格闘技はその典型例です。ボクシングで相手を殴る行為が,暴行罪に問われるわけでは当然ありません。
行為については、違法性が生じてくる場合があります。
このような場合,形式的には暴行罪に該当しても,「正当業務行為」として違法性がないという判断がなされるのです。
どの範囲が「正当」かは難しい問題です。たとえば,ルールの範囲を大きく逸脱した暴力行為は,正当業務行為とみなされない可能性があります。
犯罪が成立するかはケースによる
乱闘行為や,ルールを逸脱して相手にけがをさせることを目的とした行為などは,暴行罪や傷害罪に問われる場合もあります。また,練習中などに指導の域を超えた体罰などが暴行罪,傷害罪等に問われて刑事事件に発展するケースもあります。
スポーツにもルール上の罰則がありますから,基本的にはスポーツ内のルール上で反則行為に対する制裁を与えられて済むのが通常であろうとも思いますが,度を超えた場合には,刑事責任(民事責任もですが)を問われることもあります。
こうした刑事責任を問われる立場になった場合,事件は多数の関係者が問題になる複雑なものになる可能性もあります。万が一,スポーツ中の行為が問題とされるような事件でお困りになる立場になった場合には,当事務所までご相談ください。